2025/05/27 12:00

普段はあまり見ないタイプの映画なのですが、スピッツの曲が作中で重要な役割を担っているらしいと知りスピッツ好きとしては居ても立っても居られなくなった次第です。
僕が人生で最も長いお付き合いをしているバンドはスピッツで、初めて買ったCDはシングルで出た「チェリー」とアルバムも「君が思い出になる前に」でした。
当時少年だった僕にとって草野マサムネさんの歌詞は抽象的で余白がたくさんあって妄想がふくらむふくらむ...。。o○゜*✩
勝手な解釈ですが、登場人物が二人のような歌詞でもどこか一人称のような孤独があり、真っ直ぐ純粋に魅せて捻くれていて逸れる。。⤴*
その全てが少年だった僕に突き刺さり人体を構成する何割かになっています。
そんなスピッツを絡めるという事は、キラキラとはいかない孤独と捻くれを帯びざるをえないはずだと勝手に期待を膨らませたのでした。
その通りだったかは人それぞれだと思いますが、だいぶクセがあったと思います。最初から最後まで独走状態主人公二人の世界でした。
監督も言っていたのですが僕も恋愛ってそもそも独善的なものだし、無意識にも意識的にも関係なく誰か人を傷つける覚悟をしながら進めていくものだと思います。
さっちゃんという主人公に思いを寄せ、傷つく子がいます。
その子がスピッツの「初恋クレイジー」という曲が好きで、聴いてほしいと話し、その時に少しでも思い出してほしいと願います。
だけど主人公の男の子は一度たりともまともには聴いてくれませんでした。
傷ついた夜、さっちゃんはベランダにハンモックを出して朝を迎えます。「初恋クレイジー」を聴きながら。
CDで音楽を聴いていた世代からするとアルバムの中の一曲である「初恋クレイジー」を聴けば自然と次の「インディゴ地平線」が流れ始めます。
さっちゃんもきっとベランダのハンモックの中から見たインディゴブルーに染まっていく空を一緒に見たかっただろうなと想いを馳せてしまいました。
そんな妄想がふくらむ映画でした。
あと映画の中の喫茶店であったのですが、コーヒーの事を黒豆出汁と表現できるのを知りました。